特色ある治療

脳幹部海綿状血管腫

脳幹部海綿状血管腫の手術治療について

脳幹海綿状血管腫は、脳幹(中脳・橋・延髄など)に発生する毛細血管が塊状に集まった異常な血管病変で、再出血を繰り返すことで運動麻痺、感覚障害、構音障害、嚥下障害など深刻な神経症状を引き起こすことがあります。
手術治療の目的は、これ以上の出血や神経障害を防ぐために、病変を摘出することです。ただし脳幹は生命維持に関わる極めて重要な構造が密集しており、わずかな損傷でも重篤な後遺症が残る可能性があるため、手術には高度な専門性と慎重な判断が求められます。
近年はナビゲーション、術中モニタリング、顕微鏡・内視鏡技術の進歩により、安全性が向上しています。出血を繰り返している症例や、病変が表面に近く到達可能な位置にある場合は、手術の適応となることがあります。
術後は一時的に神経症状が増悪することもありますが、多くの症例で時間とともに改善が見込まれます。症例に応じて専門医が慎重に判断し、治療方針を提案いたします。

中脳後方
橋背側

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