医局員活動報告

活動報告
2025年07月24日

難治性てんかんに対する新たな低侵襲治療として反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の安全性と有効性を本邦で初めて同時に示しました

東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座・リハビリテーション医学講座・臨床検査医学講座は共同で、薬剤治療が無効な難治性てんかんに対する新たな低侵襲治療として反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の安全性と有効性を本邦で初めて同時に示しました。
内服治療に抵抗があり月に1回以上てんかん発作を繰り返している8名の患者にrTMS治療を実施したところ、8名とも重篤な有害事象は認めず、6名で発作回数が20%以上減少しました。とくに前頭葉てんかんの2名は脳波上の改善が明確で、うち1名は治療1か月後にてんかん発作が半減したことを調査により明らかにしました。
この結果は、rTMS がてんかん外科治療や観血的な緩和治療に先駆けて検討されるべき新たなてんかん治療選択肢となりうることを予見させるものです。本研究は、難治性てんかん患者の治療選択肢を広げ、生活の質(QOL)を向上させる可能性を示しています。
本研究の成果は Jikeikai Medical Journal 誌にて 2025 年 3 月付けで公開されました。
 

【脳神経外科学講座】
講座担当教授 村山雄一
助教 小関宏和
助教 武石英晃
【リハビリテーション医学講座】
講座担当教授 安保雅博
【臨床検査医学講座】
講座担当教授 越智小枝
講師 海渡信義


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