脳血管障害
脳の血管(動脈)一部が風船のように膨らんでコブ状になったものです。無症状であることが多いですが、動脈瘤が大きくなると神経の圧迫による症状が出ることもあります。脳動脈瘤の破裂はくも膜下出血の原因として最も多いです。
くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂することで発症する重篤な病気です。突然の激しい頭痛や意識障害を引き起こし、救急搬送が必要となることが少なくありません。発症すると生命に関わるだけでなく、麻痺や高次脳機能障害などの後遺症が残ることもあります。そのため、未破裂脳動脈瘤が見つかった場合には、破裂の危険性を適切に評価し、経過観察と治療のどちらが望ましいかを慎重に検討する必要があります。
脳ドックやMRI検査で「未破裂脳動脈瘤があります」と言われ、不安を感じていませんか。
未破裂脳動脈瘤が見つかったからといって、すべての患者さんに治療が必要になるわけではありません。
当科では、脳動脈瘤の破裂リスクと治療リスクを総合的に評価し、患者さん一人ひとりに最適な治療方針をご提案しています。
当科は国内有数の脳動脈瘤診療施設として、多くの患者さんをご紹介いただいています。
9,256例
3,308例
私たちは、すべての脳動脈瘤に治療を勧めるのではなく、
「本当に治療が必要な脳動脈瘤なのか」
を慎重に検討しています。
不要な治療を避けながら、破裂の危険性が高い患者さんには適切なタイミングで治療を行います。
脳動脈瘤の治療方針を決定する上で最も重要なのは、
「将来どれくらい破裂する可能性があるのか」
を評価することです。
当科では、東京慈恵会医科大学を中心として開発したAIによる脳動脈瘤破裂予測システムを活用しています。
この研究成果は読売新聞をはじめとする全国メディアでも紹介されました。
※関連報道
読売新聞、Medical Tribuneほか各種メディア掲載。
AIによる解析結果に加え、患者さんの年齢、既往歴、画像所見などを総合的に判断し、最適な治療方針を検討しています。
脳動脈瘤の形や血管構造は患者さんごとに異なります。
当科では、
・3Dプリンターによる立体モデル作製
・独自開発シミュレーションソフトウェア
を活用し、治療前に詳細な検討を行っています。
患者さんごとの血管構造を再現することで、より安全で精度の高い治療を目指しています。
脳動脈瘤の治療には主に2つの治療法について
方法があります。
脳動脈瘤の外科的治療の目的は「破裂予防」と「不安の軽減」です。
当院ではこの2点を重視して外科的治療の適応を決めています。その適応基準の一つが発見時の脳動脈瘤のサイズです。近年未破裂脳動脈瘤の破裂率に関しての研究データが数多く発表されております。また我々の施設内でのデータを解析した結果、脳動脈瘤の破裂率は“場所”と“大きさ”に相関することがわかってきました。
当院で経過観察した脳動脈瘤の破裂に関する研究では、2-4㎜の動脈瘤は年間破裂率0.3%、5-6㎜のサイズの動脈瘤は年間破裂率3.1%、7-9㎜で2.9%、10-24㎜のサイズは10.2%でした。そのため、原則的には5㎜以上のサイズの動脈瘤に対して手術を検討しています。しかしながら、5㎜未満であっても、経過観察中に増大、変形をきたした場合は手術を検討することもあります。
また、脳動脈瘤が発見されたことで、破裂に対する懸念から日常生活に不安が生じ、それまでの日常生活に支障をきたしている場合、もしくは経過観察することに対する心配が強い場合などは、動脈瘤が小さくても手術を検討する場合もあります。
このように脳動脈瘤の手術適応に関しては様々な要因が関わりますので、時間をかけて理解していただくことが大切です。
頭蓋骨を開けて脳動脈瘤の根元をクリップで閉鎖する方法です。
長期的な再発率が低く、確実な治療効果が期待できます。
カテーテルを用いて血管の内側から脳動脈瘤を閉塞する方法です。
身体への負担が比較的少なく、高齢の患者さんにも適応となる場合があります。
患者さんの年齢、動脈瘤の位置や形状を考慮し、最適な治療法をご提案します。
脳動脈瘤内にマイクロカテーテルを誘導
マイクロカテーテルから脳動脈瘤内にコイルを挿入
脳動脈瘤内にコイルが充填され、血流が遮断され、破裂が防がれます
いいえ。多くの未破裂脳動脈瘤は経過観察が可能です。
当科では破裂リスクと治療リスクを慎重に評価して判断しています。
小さな脳動脈瘤でも破裂することがあります。
大きさだけではなく、形状や部位なども重要な判断材料となります。
可能です。
現在通院中の医療機関での診断内容や画像をもとに、治療の必要性や方針についてご説明します。
もちろん可能です。
治療を受けるべきか、経過観察が可能かについて、専門的な立場からご説明いたします。
「手術を受けるべきか迷っている」
「経過観察と言われたが不安」
「他院で治療を勧められた」
そのような患者さんを対象に、未破裂脳動脈瘤のセカンドオピニオンを行っています。
治療の必要性や治療方法について、最新の知見に基づきご説明いたします。
お気軽にご相談ください。