神経外傷・スポーツ頭部外傷

脳挫傷

脳挫傷

頭部への外力によって、脳そのものが損傷されて出血などを生じることです。重症な脳挫傷の場合、損傷された脳への血液循環が障害され脳の浮腫が生じ、さらに二次的に周囲の脳や血管を圧迫して脳腫脹が増悪したり、脳梗塞を呈したりします。しばしば生命に危険が及んだり、意識障害などの重篤な後遺症が生じてしまったりします。

症状

軽度な脳挫傷の場合には損傷した脳の部位に応じた症状を呈します。手足の麻痺や失語、視野障害、高次脳機能障害、てんかん発作などがございます。脳挫傷が広範で脳腫脹を呈する場合には頭蓋内圧が亢進し、頭痛や意識障害を呈するようになります。さらに脳の循環障害を生じ、脳腫脹が強くある場合には周囲の脳を圧迫し(脳ヘルニア)、呼吸循環障害、血圧低下などを生じ、生命に危険が及ぶようになります。

治療

重篤な脳挫傷で頭蓋内圧が亢進する場合には緊急で開頭手術を行い、頭蓋内圧を下げる必要があります。開頭して頭蓋骨を外したままにしたり、損傷してしまった脳を切除して周囲の脳への圧迫を防ぐようにしたりします。しかし、それでも脳の腫脹が強い場合には生命に危険が及ぶ可能性が高く、救命できたとしても意識障害などの後遺症が残ってしまうことがあります。


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