特色ある治療

ARナビゲーション下 脊髄腫瘍摘出術

ARナビゲーション下 脊髄腫瘍摘出術とは

当院では、最新のAR(拡張現実)ナビゲーション技術を活用した脊髄腫瘍摘出術を導入し、より安全で正確な手術を提供しています。

■ ARナビゲーションとは?

ARナビゲーションとはCTやMRI画像から再構成された3Dモデルを用い、手術中に現実の映像に重ねて表示する技術です。手術顕微鏡やモニターを通じて、術者が腫瘍や神経構造の位置関係を直感的に把握できるのが特徴です。

術中写真(オレンジ:脊髄腫瘍、青:椎骨動脈)

■ 従来の手術との違い

従来の脊髄腫瘍摘出術では、術前の画像情報を頭に入れながら、顕微鏡下で慎重に腫瘍を探し摘出していました。これに対し、ARナビゲーションを用いることで以下のような利点があります

・正確なナビゲーション → 腫瘍の位置や脊髄との関係がリアルタイムで確認でき、誤切開のリスクを低減。

・最小侵襲手術が可能に → 最小限の切開で腫瘍にアプローチでき、患者の負担を軽減。

・術者の空間認識を補助 → 特に深部や視野が制限される部位でも、ARで奥行き・方向感覚を補助。

・手術時間の短縮と精度向上 → 術中の確認作業が効率化され、精度とスピードが両立。

特に、下記のような症例に対して、ARナビゲーションは大きな力を発揮します

・良性脊髄腫瘍(神経鞘腫、髄膜腫など)

・腫瘍が脊髄に接している/浸潤している症例

・再発例や癒着の強い手術困難例

■ 手術の流れ

1. 術前検査・画像解析(CT・MRI)

2. ARナビゲーションシステムへのデータ統合

3. 手術中、顕微鏡とARを併用しながら摘出

4. 術後の画像検査・フォローアップ

■ 安心・安全への取り組み

当院では、神経モニタリング(MEP、SEP)や顕微鏡手術などの高度な手術支援機器と併用することで、安全性を最大限に高めています。


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